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パックレットのできるまで

 

camper

私(開発担当者)は過去にキャンピングカーも作っていました。当時としては画期的な発電機やルーフエアコンを標準装備した、オール電化キャンパーです。ただしトイレに関しては、市販の水洗式ポータブルトイレしか選択肢はありませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

camping_toilet

廃棄時には、左側に見えるドアから取り出すことができます。当時「おがくず」を使ったエコトイレもありましたが、毎日使わないキャンピングカーには搭載できませんでした。(菌が死んでしまう)

折角装備した水洗式ポータブルトイレも、捨てることや洗うことに抵抗があって結局2年間一度も使いませんでした。あくまで緊急用ということですね・・・ちなみに、アメリカなどのキャンピングカー用のサイトには、専用の廃棄用施設があります。

袋を連続して収納しておき、使うたびに下に引き込んでシールするタイプも考えましたが惜しくも北欧の会社に特許を取られた後でした。それから20年近く立ちましたが、最近になって介護や福祉関連の製品を見る機会が多くトイレについても、ローコストで手間のかからないものは無いかと考えた時連続式でしかも1枚の袋を使う方法を考えついたのです。

 

 

 

 

bagtoilet2

早速、3Dで概略の設計をし、日中でパテントも出しました。

これが、最初の3Dです。最初は普通の便器の様に、前を丸くしていました。

ただ、こうすると挟み込む機構が収まりにくく、ペダルが横にくるのも問題でした。

中国など海外で作る場合、まず輸送のことを考える必要があります。

パレットにキチンと載る箱のサイズにする必要があるのです。

 

 

 

NEW_type

 

そこで、次は角形に変更し、ペダルを前に持って来るようにしましたまた福祉用のポータブルトイレには、JIS規格がありますので、その要素もきちんと満足させるように設計変更を加えました。それがこのタイプです・・・・

これは、ほぼ製品と同じような形です。なんども頭の中で、組み立て、利用、改良をおこない、この形に決定し、すぐに金型の生産にかかりました。(ここまで着想から2週間くらいです!)
 

 

 

 

 

 

 

 

sample01

これは最初に完成した、本体のブロー成形品を市販の水洗トイレと比較した写真です。ほぼ同じ大きさに出来上がっています。水洗の場合は上部が水タンクになります。パックレットは水を使わないので、よりシンプルになります。

また災害時などを想定すれば、水を使わない袋式の優位は明らかです。

 

 

 

 

 

press_s

 

さて、3Dは非常に便利な道具ですが、単純なミスもあります。この挟み込み機構部の3D図面を見て下さい。

これは挟んだ状態の組み立て図なので、バネは当然もっと内側に動いた状態で作る必要があります。これは閉じた状態を示していますが、バネは当然挟む力を残しています。

ところが、この図と同じバネができてきました・・・(たまにはこう言うミスもあります)

 

 

 

 

 

 

 

test

 

実際にはこのような、組み立てテストもできるので、便利なものです。頭の中のイメージを、目に見える形できちんと表現してくれます。

設計の段階で、組み立てやすさや、組み立て可能かどうかも試行錯誤する必要があります。たまには設計が終わっても金型が作れないこともあります! つまり設計するには金型や金属加工などの知識も必要になってきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

asm_press_unit_rubber_pad

 

さて実際に袋を挟んでテストをしましたが、実際に金具が開いても袋は開きません。

少しでも物があると、当然下には落ちるのですが、開くというのとは少し違います。そこでいろいろ考えた結果、追加したのがこれです。

赤い部分は粘着テープ(水で洗えるタイプ)です。この部品を付けることで、袋はちゃんと開く様になりました。

 

 

 

 

 

袋の開閉

 

ほら、このように! 袋の開閉は座ったままでも、このように立ったままでもどちらでも操作できます。

あとは凝固剤の投入機構ですが、ここにもいくつかの改良を加えました。結果的に利用方法を見直していくなかで、消臭・殺菌部分と凝固剤の投入を分けることで、1回ごとの投入を不要にできることが分かりました。最新バージョンでは投入機構は使わず、最初に青い袋をセットしたあと消臭・殺菌剤を1袋全部投入します。その後は、最後まで凝固剤の投入は必要ありません。

 

 

 

 

 

BAG245

最後に取り出す前に、凝固剤1袋を全部投入します。これによって、非常に使い勝手が良くなりました。基本的にパックレットの特徴は袋を挟み込んで、視界や臭いを遮ることなので臭いについては、居室で使っても気にならない程度です。そのため、最初に消臭・殺菌剤を投入するだけで、簡単に使えるのです。また、カバー部もほぼ密着するように設計されているので、カバーを閉じれば全く臭いは上がってきません。脱臭ファンも設計は終わっていますが、今のところ、出番はなさそうです・・・

 

 

 

 

 

 

 

4580475571022-5

その他専用袋も市販のものより50%程度厚めにして、安心感を高めました。

巾着部分のストッパーも、しっかり止まるものを探しました。

ただし、使い捨てになるのであまり高価なものは使っていません。

高分子吸収剤も何社かサンプルを比較し、性能価格比の高い物を使っています。

一般に尿を固める場合は性能が落ちますので余裕を持った量を入れてあります。消臭用の活性炭も、同様に吟味しました。全てについて、良い物をできるだけ安くお届けできるように努力しました。そのため販売方法も直販をメインにしています。

 

 

 

 

BAG_in_box3

 

時節柄、災害用にお問い合わせをたくさんいただくので災害用にグレードアップさせました。

災害用の場合、一時に多数が利用するので、廃棄バッグが沢山溜まります。

そのため災害用についてはバッグインボックスタイプにしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BAG_in_box2

 

 

保管時はこのように畳まれていますが、

 

 

 

 

 

 

 

 

BAG_in_box

 

開くとこんな感じになります。使い終わったあと、何段にも重ねて保管することができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Bag_in_box_side

 

開いて本体にセットします。そのあとの使い方はパックレットと変わりません

 

今後も利用者の皆様の声を反映し、改良をしていくつもりです。ぜひ、使い方のアイデア、ご不満な点などこのサイトにお寄せ下さい。できる限り、対応させていただきます。また、他の福祉機器についても、アイデアがあればお寄せください。ローコストでの開発をお引き受けいたします。

今後は、福祉機器にテーマを絞って、開発を続けるつもりです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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